安全配慮義務って聞いたことありますか?
労災が起きた場合「日頃から会社がやれることやっていたか?」ということです。
やっていなければ、会社は責任を問われる。被災者は責任を問うことができます。
労働災害の全国の状況は、近年は年間約1000人と減少傾向にあります。一方、休業4日以上の労災は近年横ばいで目立って減っていません。
また「労災保険を使って病院に行った人」でみると、働く人の100人に1人が労災保険で医者に掛かっています。これって多くないですか?
災害の理由としては、腰痛が増えているそうです。理由は、介護関係で腰に負担が掛かる作業が多いためと言われています。
仕事で腰痛になれば労災です。腰痛を無くすために、機械を導入するなど環境面で対策しても無くすことは難しいですよね。ですので、今後は腰痛になりにくい体作りが重要になってきています。例えば、腰痛予防体操を取り入れている会社もあるようです。
また、精神疾患(メンタル)は、業種問わず発生しています。統計データ(H27~28)
では、
仕事で強いストレスを抱えている労働者の割合:55.7%
理由の第1位:仕事の量、質(以前は、人間関係がトップだったそうです)
労働者の自殺者数:6,782名
(自殺者の総数:2.4万人)
気分障害(うつ病)等受診患者数:111万人
どうですか?これだけの方がストレスやうつ病で悩んでいるんですね。
一度、労災が起きてしまうと会社はいろんな責任を負わなければなりません。
労安法の責任、刑法の責任(業務上過失)、行政責任(行政処罰)、社会的責任、民事の責任など。
では、誰が罰せられるんでしょうか?
「行為者(個人)」と「会社」が罰せられます。
例えば、「役職の無い先輩(A)」が、「後輩(無資格者)」にフォークリフトの運転を頼んで被災した場合。Aは、行為者として罰せらます。(労働安全衛生法122条)
なお、労災があった場合には、以下の順で判断されます。
①労働安全衛生法・刑法>②安全配慮義務>③無過失責任
①法律に触れていないか?
②法律に触れてなくても危険回避する義務を果たしていたか?この範囲が近年範囲が広がってきています。つまり、会社としてできることきちんとやっていたのか?
万一、労災が発生した場合でも、社会通念上相当とされる防止手段を尽くしていれば、安全配慮義務違反に基づく損害賠償責任は免れるようです。例えば、多くの会社で取りくんでいること、カイドライン化されているもの。逆にやっていなければ、被災者は安全配慮義務を問うことができます。
例えば、会社がヘルメット支給し着用の指示徹底を日頃から行っていた。しかし、作業者がヘルメット着用せず被災した場合。
安全配慮義務が問われる場合:作業者がヘルメットを日常的に着用していないことを監督者が黙認していた。
安全配慮義務が軽減される場合(過失相殺):監督者は日々ヘルメットを着用するよう指導を徹底していた。にもかかわらず、作業者が着用せず被災した場合。
■まとめ
労災を起こさないために大事なこと
会社:ルールを守らせる。言いっ放し、指示するだけではダメ。ルール無視の黙認をせず徹底させること
従業員:自分の身を守るため、決められたルールは必ず守ること
大事なことは「あたりまえのことをばかにしないでちゃんとやる」ですね(ABC理論)
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