工場の省エネ診断に行ってきました

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先日、省エネ診断専門員(エネルギー管理士・電検3種の資格保有)として、工場(第1種エネルギー管理指定工場)の省エネ診断に行ってきました。

その内容をレポートします。

光熱費が高くて困っている。など、省エネ診断に関心のある方は、一報下さい!
お役に立てるかもしれません。

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省エネ診断とは?

省エネルギー診断は、専門員が「工場等全体のエネルギーの使用状況や設備の運転状況を調査して、その調査結果に基づき、効果的な省エネ対策を提案」するものです。
お金が掛かる設備の更新対策だけでなく、お金を掛けずにすぐできる運用対策も提案します。

今回、実施した省エネ診断は「省エネお助け隊」と呼ばれる制度で「経済産業省の補助事業」である「地域プラットフォーム構築事業」の活動となっています。

省エネ診断の流れ

1.事前ヒヤリング
  省エネ診断を希望する団体から、エネルギーの使用状況や稼働設備、稼働時間など診断の基礎となる情報を伺います。

2.現地調査
  専門家が工場・事務所に伺い、現地で調査・診断を行います。

3.診断結果報告
  後日、診断員が作成した報告書を元に、診断結果をご報告します。

現地調査

・診断した工場の概要
 使用エネルギーは電気と都市ガスで、都市ガスの使用量が多く、蒸気を沢山使っていました。
 工場の操業は、24時間連続操業ではありませんでしたが、比較的長い操業時間でした。

・エネルギーの管理状況
 省エネ法の第1種エネルギー管理指定工場であるため、エネルギー推進体制や書類は整備されていました。対応頂いた社員の方の、省エネに対する課題意識は高く、積極的でした。

 しかし、工場内の設備の管理状況は、改善の余地が多くありました。ウォークスルーでザーッと見ただけでも、10件以上ありました。
 書類の管理状況は良かったですが、それが現場に浸透できていないことが、一目瞭然でした。
 従業員へインタビューすると「管理ルールがあることを、知らなかった」のです。

 どうして、浸透できていないのか?考えてみました。

 原因は、業務が複数の部門に分担されており、
   ・マニュアルを整備する部門
   ・実際に設備を使用する部門
   ・設備をメンテナンスする部門  
がバラバラでした。

このため、「整備されたマニュアル」の運用が徹底できていていませんでした。
統一したルールがあるにも関わらず、それぞの部門が自分達でルールを決めていたのです。
やはり、省エネ活動は、全員が意識をして、全員参加で進める重要性を再確認しました。

調査前のインタビューで「工場内には、換気扇が多く設置しており、室内の室圧が負圧で困っている」とのことでした。
そこで、給気ファン周りを点検したところ「給気用のフィルタ」が完全に目詰まりしていて、全く空気を吸えていない状況でした。(そりゃ、給気量が少ないはずですよ。)

診断結果レポート作成

現地調査で調べた結果を元に、診断結果レポートを作成します。
この作業が大変なんですが、専門者としての腕の見せ所です。
省エネのポイントを、アドバイスするだけならそれ程難しくありません。でもそれは、只の評論家です。診断依頼元の方に分かりやすく「対策をした後の省エネ効果を理論的に計算し、説明する」には、専門スキルが必要です。

特に、計算根拠となる技術資料の作成がポイントで、毎回苦労しています。
今回は、提案事項10件の報告書を作成するのに、10日間掛かりました。

診断結果は、
提案事項: 10件
費用削減額:約1,100万
投資額:  約400万     となりました。

診断結果報告

診断結果の報告会を開催します。
作成した診断結果報告書を元に、省エネポイントを説明します。

まとめ

いくつか省エネにつながるアドバイスをお伝えしましたが、それは単なるテクニックで一過性のものです。

一番大事なことは、全員の意識改革です。会社の全員が省エネに対して意識をすることが大切で、それが徐々に効果を生んでいく。と考えます。

省エネ活動は、本当に地道な活動です。
自分達で決めたルールを、自分達が守ること。これが基本です。

例えば、
・人が居ない時は、空調を切る。
・人が居ない時は、電気を消す。
・空調の設定温度は、××℃にする。
・換気扇のフィルターを、×ヶ月に1回掃除する。
といった具合です。

全員が意識して、自分たちが決めたルールを守らないと省エネは実現できません。

そして、古くなった設備や使いにくい設備は、お金をかけて更新する。その時に、省エネに配慮すればすばらしい工場になっていくはずです。

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