小型ボイラーのばい煙測定は必要?義務?根拠は?

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大気汚染防止法で「小型ボイラー」は「ばい煙測定」を「しなくて良い」ことになっていますが、本当にばい煙測定は不要なのでしょうか?
公害防止管理者(大気1種)の資格を持つ、設備管理技術者がそんな気になる情報を紹介します。

結論

小型ボイラー」であれば「大気汚染防止法」では、ばい煙測定は求められていません
但し、第三者要求で必要な場合があるので、注意が必要です。

これから、その理由を詳しく解説します。

小型ボイラーの定義

小型ボイラーの定義は、労働安全衛生法(施行令第1条第4号)で決まっています。

伝熱面積だけに注目すると
  ・伝熱面積1 or 3.5㎡以下の蒸気ボイラー(圧力で異なる)
  ・伝熱面積2 or 8㎡以下の温水ボイラー(圧力で異なる)
  ・伝熱面積10㎡以下の貫流ボイラー
となってます。

大気汚染防止法の規制となるボイラー

大気汚染防止方法では、ばい煙測定が必要な施設のことを「ばい煙発生施設」と呼びます。

大気汚染防止法の規制となるボイラーは、

 ・燃焼能力50リットル/時以上

となっています。
※以前は「伝熱面積10㎡以上」の要件がありましたが、大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令(令和3年政令第275号)で変更となっています。

つまり、
   小型ボイラー ≠ 大気汚染防止法の規制となるボイラー
です。(定義が違います)

伝熱面積に関係なく、燃焼能力50リットル/時以上の小型ボイラーは、「大気汚染防止法」の適用を受けますので、このボイラーは「ばい煙発生施設」です。

ばい煙発生施設の「届出」を忘れずに!

規制される内容(排出基準)

規制される項目は3項目あります。
1.硫黄酸化物
2.ばいじん
3.有害物質(NOx)

「硫黄酸化物」のばい煙量の測定については、大気汚染防止法施行規則第15条で、明記されています。
ばい煙量が、
10N立米/h以上なら、2ヶ月に1回以上測定。
10N立米/h未満では、測定頻度は明記されていません。
測定頻度が規定されていないので「測定はしなくても良い」となります。

「ばいじん」の排出基準は、小型ボイラーにも適用されています。
しかし「当分の間は適用を猶予する」ことになっているため、排出基準はありません。
つまり、「測定をしなくて良い」ことなっています。(2019年11月10日時点)
具体的には、「小型ボイラーでガスを専焼させるもの、軽質液体燃料(灯油、経由、A重油)を専焼させるもの並びにガス及び軽質液体燃料を混焼させるものは当分の間適用しない。」と「公害関係基準のしおり」に明記されています。

「窒素酸化物」も「ばいじん」と同様に「当分の間は適用を猶予する」ことになっているため、排出基準はありません。
つまり、「測定をしなくて良い」ことなっています。(2019年11月10日時点)

まとめると、「小型ボイラー」のばい煙測定は、法的(大気汚染防止法)には求められていないことになります。

小型ボイラーにかかる特別な規制

ボイラーなどの施設で「大気汚染防止法」の対象にならない規模でも、市町村条例で対象になることがあるので、市町村条例等もチェックしてください。
例えば、
「都道府県・市町村条例で測定が求められている場合」
「公害防止協定上要求されている場合」
があります。

ボイラーの維持管理にオススメの資格

「公害防止管理者」や「ボイラー技士」がオススメです。
資格を取得すれば、自分のスキルがアップするだけでなく周りからの評価も上がります。
この資格を持っていば「引く手あまた」なので、大手企業へ転職し給料アップも可能です。

<→公害防止管理者(大気)に1発で合格した勉強方法
<→設備管理系資格をオススメする理由

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