照度測定は、オフィス・工場・学校などの照明環境を確認するために行います。
しかし実際の現場では
・測定ポイント
・測定高さ
・基準値
などで迷う人も多いでしょう。
この記事では、設備管理や環境測定の現場で行う
照度測定の方法をわかりやすく解説します。
「労働安全衛生法」及び「事務所衛生基準規則」では、部屋の照明設備の点検が定められています。頻度は、6ヶ月以内ごとに1回となっています。では、照明設備の点検はどのように実施すれば良いのでしょうか?
※この記事は、2026年に最新情報へ更新しています。
結論:照度計で照度測定を行い、照度基準を満たしているか確認してください。
適合しない場合は照明設備の改善を進めましょう。
照度測定には専用の照度計を使用します。
現場でよく使われるのはこのようなタイプです。
【入門向け照度計はこちら】
【実務向け照度計はこちら】
法的根拠
「事務所衛生基準規則」第二章 事務室の環境管理(第10条)に規定されています。
※照度基準は労働安全衛生規則で定められています。
事務所については事務所衛生基準規則が適用されます。
(照度等)
1.事業者は、室(労働者を常時就業させる室)の作業面の照度を次の基準に適合させなければならない。但し、感光材料の取扱等特殊な作業を行う室については、この限りでは無い。
労働安全衛生法における照度基準(2022年改正後)
| 作業の区分 | 基準 |
|---|---|
| 一般的な事務作業 | 300 lx以上 |
| 付随的な事務作業 | 150 lx以上 |
2.事業者は、室の採光及び照明については、明暗の対照が著しくなく、かつ、まぶしさを生じさせない方法によらなければならない。
3.事業者は、室の照明設備について、六ヶ月以内ごとに一回、定期的に、点検しなければならない。
照明設備の点検方法(照度測定方法)
法令の記述から照明設備の点検の目的は、”作業ごとに決められた基準照度を確保すること”であると読み取れます。このことから、照明設備の点検手順としては、以下の通りになるかと思います。
照度計で照度を測定
高さ:作業場所(机上作業→机上面、床作業→床面)
測定ポイント:作業面の代表点を複数測定
作業面を均等に区切って複数測るのが一般的
例:5点(中央+四隅)、9点(3×3)、12点以上(4×3・・)ー
測定回数:法令(事務所衛生基準規則)には “測定回数”の明記なし。
↓
基準照度に適合しているか確認する
ーー↓
適合していれば、照明設備に問題無し
不適合の場合は、照明設備の不具合を改善する
これに加え、照明器具に異常がないか?外観点検を実施すれば良いでしょう。
次に、照度基準、照度計について紹介します。
JIS照明基準とは?
「事務所衛生基準規則」で定めている照度基準は「最低照度」となっています。安全かつ快適な作業環境を十分に確保しているとは言い難くなっていて実際に作業をすると暗く感じることでしょう。
この法令の他に、照度基準を定めたものが「JIS照明基準」です。これは、快適かつ効率的に業務を行うために推奨される明るさを示した規格となっています。
JIS基準は、事務所・工場毎に部屋・作業内容別に細かく指標が示されていて、実際の快適性や作業効率を確保するために、JIS規格(JIS Z 9110)で定められた、より高い照度(一般事務で750lx、会議室で500lxなど)が推奨されています。
JIS規格における照明基準(Z 9110:2024)
| 照度(lx) | 事務所および一般的な建物空間 | 工場 |
|---|---|---|
| 1500 | ― | 精密機械・電子部品の製造、印刷工場での極めて細かい視作業 |
| 750 | 事務室/設計室・製図室、役員室、玄関ホール(昼間) | 綿織工場での選別・検査、印刷工場での植字・校正、化学工場での分析などの細かい視作業 |
| 500 | 集中監視・制御室、会議室 | 設計・製図 一般製造工場などでの普通の視作業 |
| 300 | 受付、化粧室、エレベーターホール | 倉庫内の事務 |
| 200 | 書庫、更衣室、便所・洗面所 | 粗視作業で限定された作業 |
| 150 | 階段・エスカレーター・動く歩道 | 荷積み・荷降ろし・荷の移動など |
| 100 | 休憩室、廊下/玄関ホール(夜間) | ごく粗視作業で限定された作業 |
【用途別】照度測定で必要な物
照度測定は、”照度計”を用いて実施します。
操作方法はとても簡単ですので、誰でも手軽に測定をすることができます。
測りたいところに、照度計を置くだけですが少し陰があるだけで照度が大きく変わるので注意が必要です。
照度計の価格は数千円~数万まで幅がありますので、用途によって選択しましょう。安いモデルでも簡易照度計として精度を求めなければ充分使えます。
また、照度測定を行う目的によって、準備すべきものは変わります。
・とりあえず測定してチェックをしたい
・実務レベルで使いたい
・報告書の提出が必要
とりあえず測定したい人向け(簡易モデル)
社内の定期チェックや目安確認であれば、比較的安価な照度計でも対応可能です。
【入門向け照度計はこちら】
※個人的には、簡易測定ならこのクラスで十分だと思います。
実務レベルで使う人(業務モデル)
会社提出や管理記録として残す場合は、精度が安定したモデルがお勧めです。
【実務向け照度計はこちら】
私は、衛生管理者の日々の業務で事務所の照度測定をしていて、この計器を使っています。
測定誤差が少なく、精度の良い照度計が欲しい方にはオススメです。
過去には、メーカー:HIOKI(日置)や、FUSO を使っていました。
報告書の提出が必要(校正証明対応)
監査や第三者提出が必要な場合は、校正証明書付きモデルを選びましょう。
現場で「校正証明書ありますか?」と聞かれるケースは意外と多いようです。
使い易くてオススメなのは、センサーが分離するタイプで、目盛りがアナログ式のものです。センサが分離すると場所を問わずに測定できますし、目盛りがアナログだと読み取り易いです。
でも、このタイプの照度計はなかなか売っていませんので、迷っているなら先ほど紹介した計器を使ってみて下さい。
照度基準は部屋の中全部クリアしなければならないの?
あくまでも重要なのは労働者が作業を行う作業面です。作業面では照度基準を満たさなければなりません。作業面が照度基準を満たしていない場合は、レイアウト変更や照明の交換など早急な改善が必要です。
一方、作業を行わない床面であれば基準以下であっても問題ありません。しかし、床で作業を行う場合は、床面の照度確保が必要となります。
照度測定を仕事に活かすなら
照度測定は、以下の資格と非常に相性が良いです。
・衛生管理者
・作業環境測定士
・ビル管理士(建築物衛生管理技術者)
設備管理や工場勤務では、「照度測定ができる+資格あり」で評価が上がります。
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【作業環境測定士資格はこちら】
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技術系の通信教育講座ならJTEX
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独学が不安な方は、通信講座の資料請求だけでもしておくと比較しやすいです。
設備管理でキャリアアップを目指すなら
照度測定や法令、安全管理の知識は、施工管理、ビルメンテナンス、設備管理業界で重宝されます。
経験を活かして転職することで年収アップにつながることも珍しくありません。
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照度測定は「基準を満たすこと」だけでなく、設備管理者のスキル向上にも直結します。
測定器の選定・資格取得・キャリア形成まで自分の目的に合った選択をしていきましょう。
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コメント
確かに第1項で維持すべき照度を掲げ、第3項で点検する、という流れから、点検の中で照度が維持されているかを確認すべき、と考えるのが自然なのかもしれません。
しかし、解釈例規(昭和46年8月23日基発第597号)では、この点検について鍵「電球、反射笠等の汚れ、破損または機能劣化など照度の低下の原因となる事項について行うこと」と、あくまで外観検査に留まる内容となっています。
何か公的な裏付けが取れる文書がありましたら教えてください。
よろしくお願いいたします。
ご回答が遅くなり申し訳ございません。照明器具の外観に異常が無くても、照度が足りなければ改善が必要となりますので、照度測定が有効であると考えます。
よろしくお願いします。