ターボ冷凍機と吸収式冷凍機はどっちがお得?エネルギー管理士が比較検証します

スポンサーリンク
スポンサーリンク

ターボ冷凍機と吸収式冷凍機はどっちが得が知ってますか?


「そりゃ、ターボ冷凍機の方が効率が良いのでターボでしょ」と答えるかもしれません。燃料と電力の単価が違うし、本当にそうでしょうか?また、それぞれをコスト比較できますか?

このサイトの管理者は、約10年間、第1種エネルギー管理指定工場のエネルギー管理者として業務を行ってきました。そのノウハウを紹介します。

■1冷凍トン(1RT)の冷水を製造するのに必要なコストの計算方法
※前提条件:1RT=3024kcal=12.7MJ

□吸収式冷凍機
前提:     COP:1.2
都市ガス(13A)を燃料としたボイラーの蒸気を使用した冷凍機
ボイラー効率μ=0.92
13A低位発熱量 41.6MJ/Nm3
有効熱量=41.6MJ/m3×0.92=38.3MJ/Nm3
13A単価:100円/Nm3

12.7MJ/RT÷COP1.2=10.58 MJ/RT
38.3MJ/Nm3÷10.58MJ/RT=3.617 RT/Nm3
100円/Nm3÷3.617 RT/Nm3=27.6 円/RT ・・・冷水1RT製造するために掛かるお金

□ターボ冷凍機
前提:     COP:6
電力単価:20円/kwh

12.7MJ/RT÷(COP6×3612 kJ/kwh)=0.586 kwh/RT
1RT=0.586 kwh/RT×20円/kwh =11.7 円/RT

□計算結果:冷水製造原単位比較的
 ターボ:11.7 円/RT < 吸収式:27.6 円/RT

以上より、冷水製造コストは吸収式冷凍機よりもターボ冷凍機の方が安い。という結果になりました。運転コストが計算できましたので、イニシャルコストや保全費用を加味すると冷凍機のトータルコスト(ライフサイクルコスト)が分かります。
このライフサイクルコストを用いてどちらの冷凍機を導入する方がコストメリットがあるか検証すると良いでしょう。

なお、冷凍機COP、電力単価、燃料単価の条件が変わりますので、皆さんの工場の条件を当てはめて計算してみてください。

コメント

  1. 久保田裕 より:

    もしターボ冷凍機のコンプレッサーの動力源がボイラーで作られた蒸気の場合、COP値を変えるだけで吸収式冷凍機の公式を流用して冷水製造コストを算出することは可能でしょうか?

    • yasuro より:

      蒸気タービンですね。そのまま公式に当てはめて頂ければOKです。但し、ボイラーの燃料毎で発熱量が変わるので注意してください。

  2. 田中 より:

    ターボ冷凍機の原単位計算でCOPに3612を掛けているのですが、これは何の値でしょうか。

    • yasuro より:

      3612kJ/kwhは、kwhからkJへの換算係数ですが、正確には3600kJ/kwhです。
      次の計算式で換算したため端数が出てしまいました。(860kcal/kwh×4.2kJ/kcal=3612kJ/kwh)
      紛らわしくて失礼しました。

タイトルとURLをコピーしました