渦巻きポンプの流量を増やしたい時はどうすればよいのでしょう?
工場で使用している渦巻きポンプの流量を増やしたい時がありました。
吐出量を増やす方法をいくつか調べたので、その情報を紹介します。
結論:方法は3つ
1)ポンプを並列運転する(吐出量増、揚程一定)
2)ポンプの回転数を上げる(吐出量増、揚程増)
3)ポンプを交換する
1)ポンプを並列運転する
同じ性能のポンプなら並列運転をすれば流量は増えます。
ちなみに直列運転をすると吐出圧力が増えます。(流量は変化無し)
注意点:
性能が違うポンプを並列運転しも流量は増えません。何故なら、吐出圧力が低いポンプの水は流れて行かず締め切り運転となるからです。
また、並列運転をすると配管抵抗が増えるため、流量は単純に2倍にはなりません。
2)ポンプの回転数を上げる
①インバータで回転数を上げる
三相交流モーターの回転速度Nは、
N=120f/P
となります。(f:電源周波数、P:モーター極数)
インバータは、周波数を変えてモーターの回転数を変更します。
回転数が下がるとモーターの速度が減り吐出量が減ります。
逆に、回転数がが上がるとモーターの速度が増え吐出量が増えます。
では、どれくらい流量が増えるのでしょうか?
流量は、周波数の比に比例します。(流量は回転数に比例。回転数は周波数に比例)
例えば、50Hz→60Hzに変えると、流量は1.2倍に増えます。
②プーリー比を変えて回転数を上げる
吐出量を増やすには、ポンプ側プーリーを小さく、モーター側プーリーを大きくします。
この大きさの差が大きくなるほど、回転数は上がり、流量と揚程が大きくなります。
吐出量は、プーリー比に比例します。
i=n1/n2=D/d
n1: 高速軸回転数(小プーリー回転数(min-1))
n2: 低速軸回転数(大プーリー回転数(min-1))
D : 大プーリー(mm)
d : 小プーリー(mm)
注意点:
・ポンプの最高使用圧力を超えない範囲で運転する。(軸受け等のポンプ部品)
・圧力は、回転数の2乗に比例する。
・流量は、回転数に比例。
・動力は、回転数の3乗に比例する。電装部品が増速運転に耐えられる範囲で運転する。
・モーターが耐えられる範囲の回転数に抑えて運転する。
・サージングに注意する。
・ポンプの吐出配管サイズを確認して、欲しい流量がちゃんと流れるか確認する。
3)ポンプを交換する
並列運転や回転数を増やしても、流量が足りない場合は、吐出量の大きいポンプに変えるしかないですね。
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