フォークリフト運転に必要な資格は?法令義務は?

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man riding on yellow forklift プラントエンジニア・設備管理技術者
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フォークリフトを安全に使用するために、沢山の法令義務があります。
気付かないうちに法令違反にならないように、しっかり法律を理解する必要があります。
今回は、複雑で分かりにくい、法令義務を詳しく解説します。

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必要な運転資格は?

最大荷重1トン以上のフォークリフトの運転業務は、フォークリフト運転技能講習を修了した者(労働安全衛生法施行令第20条第11号)などの有資格者である必要があります。

最大荷重1トン未満のフォークリフトの運転業務は、フォークリフト運転特別教育を修了した者(労働安全衛生規則(以下、安衛則という)第36条第5号)である必要があります。

なお、上記の資格等だけでは公道上での走行はできません。

ご注意ください。

点検義務は?

フォークリフトについては、損傷や故障などから生ずる災害を防止するため、
作業開始前点検(安衛則第151条の25)、定期自主検査を実施する必要があります。

作業前点検

作業を開始する前に点検を実施してください。(始業前点検とも呼ばれています)
点検項目は、以下の通りです。

一 制動装置及び操縦装置の機能
二 荷役装置及び油圧装置の機能
三 車輪の異常の有無
四 前照燈、後照燈、方向指示器及び警報装置の機能

定期自主検査

定期自主検査は、1月以内ごとに行う月次検査(安衛則第151条の22)と

1年以内ごとに行う年次検査(安衛則第151条の21)があります。
年次検査については、「特定自主検査」(安衛則第151条の24)として、登録検査業者、または、一定の資格を有する自社の労働者が行うこととなっています。(いわゆる、有資格者でなければ、年次検査が実施できません

特定自主検査を行ったときは、フォークリフトの見やすい箇所に、検査標章をはり付けなければなりません(安衛則第151条の24第5項)。

点検や検査の結果、異常を認めたときは、直ちに補修その他必要な措置を講じ
なければなりません(安衛則第151条の26)。

また、定期自主検査、特定自主検査の記録は3年間保存する必要があります
(安衛則第151条の23)。

必須の帳票(作業計画)は?

フォークリフトを用いた作業では次のことが必要となっています。(安衛則第151条の3)

⑴ 作業に係る場所の広さ及び地形、フォークリフトの種類及び能力、荷の種類及び形状に適応する作業計画を定めること。
⑵ 作業計画は、フォークリフトの運行経路及びフォークリフトの作業の方法が示されたものであること。
⑶ 定めた作業計画に従い作業を行うこと。
⑷ 定めた作業計画の内容を関係労働者に周知すること。

なお、作業計画には、⑴、⑵の項目のすべてについての定めをしていなければなりません。

事業場によっては、作業手順書・作業標準書と呼ばれる帳票に、上記の「作業計画」の内容が含まれている場合があるかもしれません。

必須の指揮者は?

労働者が複数で荷役作業を行う場合は、作業指揮者を配置してください。(安衛則第151条の4)作業指揮者には、作業計画に基づき作業の指揮を行わせなければなりません。

なお、作業指揮者に特に資格は必要ありませんが、フォークリフトに関する知識、作業についての知識、経験、職制上の地位等を検討し、適切に作業指揮を行える者を選任してください。

労働者が単独で荷役作業を行う場合は、作業指揮者は必要ありません。

荷役作業を行うときの必須事項は?

荷役作業とは、

フォークリフトでの荷物の積み込みや荷下ろし、または倉庫やヤード等への入庫・出庫を総称した作業のことを荷役作業といいます。

フォークリフトを用いて荷役作業を行うときの注意・遵守事項

・荷役作業場の制限速度を定めること(安衛則第151条の5)。
・荷と接触することにより労働者に危険が生じるおそれのある箇所に、原則、労働
 者を立ち入らせないこと。
 立ち入らせる必要がある場合には、誘導者を配置すること(安衛則第151条の7)。
 誘導者を置くときには、一定の合図を定めること(安衛則第151条の8)。
・ フォークリフトのフォークの荷の下に、原則、労働者を立ち入らせないこと。立ち入らせる必要があるときには、安全支柱、安全ブロック等を使用させること(安衛則第151条の9)。
・ フォークリフトの用途外使用(人の昇降等)をさせないこと(安衛則第151条の14)。
・ 誘導者が配置されたときは、誘導者の誘導に従うこと(安衛則第151条の7、安衛則第151条の8)。
・ フォークリフトのフォークの荷の下に、原則、立ち入らないこと。立ち入るよう指示されたときは、必ず安全支柱、安全ブロック等を使用すること(安衛則第151条の9)。
・ フォークリフトを停車したときは逸走防止措置を確実に行うこと(安衛則第151条の11)。
・ フォークリフトの乗車席以外の箇所に労働者を乗せないこと(安衛則第151条の13)。
・ フォークリフトの用途外使用(人の昇降等)をしないこと(安衛則第151条の14)。
・ フォークリフトの許容荷重、その他能力を超えた使用をしないこと(安衛則第151条の20)。
・ 運転時にはシートベルトを着用すること(シートベルトがある場合)。
・ マストとヘッドガードに挟まれる災害を防止するため、運転席から身を乗り出さないこと。
・ 運転者席が昇降する方式のフォークリフトを使用する場合は、安全帯の使用等の墜落防止措置を講じること。
・ 急停止、急旋回を行わないこと。
・ バック走行時には、後方(進行方向)確認を徹底すること。
・ フォークに荷を載せての前進時には、前方(荷の死角)確認を徹底すること。
・ 構内を通行する時は、安全通路を歩行し、荷の陰等から飛び出さないこと。

その他

・ 自社内でのフォークリフト使用のルール(制限速度、安全通路等)を定め、見やすい場所に掲示しましょう。
・ 通路の死角部分にはミラー等を設置し、フォークリフト運転者及び歩行者が容易に確認できるようにしましょう。
・ フォークリフトの走行場所と歩行通路を区分し、フォークリフトと歩行者が接触しないようにしましょう。

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