エタノールは便利な物質ですが、取り扱う場合に気をつけることは何でしょうか?エタノールの取扱に必要な法的要求事項 について紹介します。
エタノールは、別名:エチルアルコール。
結論:
エタノールは、有機溶剤です。しかし、有機則(労働安全衛生法の有機溶剤中毒予防規則)は非該当です。
一方、消防法の「危険物第4類」に該当します。消防法に則った管理が必要です。
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有機溶剤とは
有機溶剤は、いろいろな現場で塗料、洗浄等の作業に広く使用されており、代表的なものは、シンナー、アセトンです。しかし、蒸発しやすく、脂肪を溶かしてしまうことから、呼吸器や皮膚から体内に吸収されることが知られています。この体内に吸収された有機溶剤が中枢神経等へ作用して、急性中毒や慢性中毒等の健康障害を発生させる恐れがあります。
そもそも「溶剤」とは「物を溶かす」ために用いられる液体のことです。例えば、塩を水に溶かす場合、水が溶剤となります。有機溶剤とは、有機化合物の溶剤です。例えば、塗料をシンナーに溶かす場合は、シンナーが溶剤となります。シンナーは有機化合物ですので有機溶剤となります。
有機溶剤の種類は、約500種類以上あると言われています。エタノールも有機溶剤となります。
エタノールは有機則非該当
これらのうち、有害性の高い54種類の物質の管理方法を有機則で規定しています。
有機則とは、有機溶剤中毒予防規則の略称で、有機溶剤の安全基準を定めた省令です。これは、労働安全衛生法に基づいて定められています。
エタノールは、有機則の規制物質の対象外となっています。
一方、有機則の適用になると様々な規制を受けるようになります。名前の似た物質で、メタノールは有機則の規制となっています。
まとめ
エタノールは、「約500種類ある有機溶剤の1つ」ですが、「有機則の規制適用ではありません」。
一方で、エタノールは、別名エチルアルコールであり、消防法の危険物第4類に分類され規制を受けます。
消防法に従った管理が必要です。管理方法の詳細は、消防法や市町村の火災防止条例で規定されています。
化学物質にあまり詳しく無い人は、馴染みの無い専門用語に戸惑うかもしれませんが、化学物質を適切に扱う為には最低限、その物質の危険性、適用となる法律を知っておく必要があります。
化学物質に詳しく無い場合でも、簡単に取り扱う物質の危険性、適用となる法律を調べる方法があります。
SDSで確認を
それは、取り扱う化学物質のSDS(製品データシート)を確認することです。
SDSとは、安全データシート(Safety Data Sheet)と呼ばれ、化学物質の危険有害性情報を記載した文章のことです。
労働安全衛生法で、この文書の発行・情報の提供が義務付けられていますので、化学物質を購入した場合は、販売店からSDSを入手して内容を確認しましょう。また、最近はインターネットからダウンロードすることも可能です。
保護具を着用しましょう
エタノールを取扱う場合は適正な保護具を着用しましょう。ちょっと位大丈夫と思っていても、大きな事故につながった例も少なくありません。
保護具としては、
・飛散防止に備えた「保護メガネ」
・揮発蒸気(ガス)の吸引に備えた「防毒マスク(有機溶剤)」
・手を保護する「ゴム手袋」
があります。リンク先に商品を紹介していますので参考にして下さい。それ程高いものでは無いので、身を守る為にも是非とも準備して下さい。
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